児童相談所長による親権喪失宣告申立
東京家八王子支審昭和54・5・16家月32巻1号166頁
<事実>
親権者Yは妻と離婚後、3人の未成年者の親権者となり同居していたが、長女に対して性的虐待をしたため、長女は児童福祉法28条1項1号に基づき保護された後、母親とともに行方不明となった。
その後、生活が乱れ子供の養育も適切に行なっていなかったYが、次女Zに対して性交を強要したのでZは家出して児童相談所に一時保護された。
Yは親権を理由としてZの引取りを主張したので、児童相談所長Xは親権の喪失を求めた。 |
<争点>親権者による未成年者への度重なる性的虐待は、親権濫用となるか。また、親権者が、施設に一時保護された未成年者を引取り要求する場合、児童相談所長は親権行使の一時停止を求めることができるか。
<判旨>
親権者が未成年者に対して性的虐待をしているとの事実が認められる場合には、「未成年者の親権者である事件本人はその親権を濫用し、未成年者を虐待し、その福祉を著しく損っているものと言わなければならない」。
(審判が出される前、昭和54年4月20日に「審判前の仮処分」として、親権の行使を停止し、児童相談所長を親権代行者に選任している) |
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