未成熟子と離婚請求




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未成熟子と離婚請求

最判平成6・2・8判時1505号59頁

<事実>

X男とY女は昭和39年に婚姻した夫婦であり、2人の間に3男1女をもうけている。

Xは、会社経営に行き詰まり、昭和54年に「東京へ行く」と言って出て行ったまま帰ってこず、行方不明になったが、Yは、生活保護を受けて4人の子を育てながら、大阪府でXの帰りを待っていた。

Xは、昭和56年に2児をかかえるA女と知り合い、昭和58年から横浜市で同棲を開始して今日に至っている。

Yは、昭和60年にXの住所やXがAと同棲していることを知り、自分のもとへ帰ってくるよう求めたが、Xは離婚を強く求めて本訴を提起した。

この間、昭和63年には、婚姻費用の支払を命ずる審判が確定し、Xは、毎月15万円ずつ(7月と12月は各40万円)をYに送金している。

XY間の4人の子のうち3人はすでに成年に達しており、末っ子B男も原審口頭弁論終結時には、卒業間際となっている。

原判決は、Xが有責配偶者であることを認めつつ、XY間の別居期間は相当長期間(約13年)にわたっていることを理由に、Xからの離婚請求を認容したので、Yは上告して、本件にあってはいまだ高校3年生の子Bが存在しており、離婚請求の認容を阻止する条件となるべきであると主張した。

<争点>高校3年生の子は有責配偶者かrなお離婚請求を棄却する事由としての「未成熟の子」といえるか。



<判旨>上告棄却

「現在では、YとX間の4人の子のうち3人は成人して独立しており、残る三男Bは親の扶養を受ける高校2年生であって未成熟の子というべきであるが、同人は3歳の幼少時から一貫してYの監護の下で育てられてまもなく高校を卒業する年齢に達しており、XはYに毎月15万円の送金をしてきた実績に照らしてBの養育にも無関心であったものではなく、XのYに対する離婚に伴う経済的給付もその実現を期待できるものとみられることからすると、未成熟子であるBの存在が本件請求の妨げになるということもできない」。

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