財産分与と過去の婚姻費用




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財産分与と過去の婚姻費用

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財産分与と過去の婚姻費用

最判昭和53・11・14民集32巻8号1529頁

<事実>

X女はY男の婚姻以来の不誠実な態度に信頼を失い、いったん別居したところYが反省を示したので再び同居したが、態度を改めないため子A・Bを連れ実家に戻った。

別居以後7年間、Yは生活費を一切支払わず、Xは別居の際に持ち帰った債権や自己の収入で生活するほか、実父の援助をかなり受けていた。

XはYに対して離婚を請求するとともに財産分与と慰藉料を請求した。

原審は、財産分与として、夫婦財産の清算、離婚後の生活扶助のほかに過去の婚姻費用の清算を財産分与に含めた点に関してYは上告した。

<争点>婚姻費用の分担請求は家事審判事項であり、過去の婚姻費用についても審判申立が認められる。他方、離婚の際の財産分与は、夫婦財産の清算、離婚後の扶養、および慰藉料を含むとされているが、裁判所が財産分与を決定する際、その他一切の事情として過去の婚姻費用の分担の態様を考慮することができるだろうか。



<判旨>上告棄却

「離婚訴訟において裁判所が財産分与の額及び方法を定めるについては当事者双方の一切の事情を考慮すべきものであることは民法771条、768条3項の規定上明らかであるところ、婚姻継続中における過去の婚姻費用の分担の態様は右事情の一つに他ならないから、裁判所は当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付を求めて財産分与の額及び方法を定めることができるものと解するのが、相当である」。

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