民法762条1項の「自己の名で得た財産」の意義




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民法762条1項の「自己の名で得た財産」の意義

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民法762条1項の「自己の名で得た財産」の意義

最判昭和36・9・6民集15巻8号2047頁

<事実>

Xは、昭和32年分確定申告の際に、X名義で取得した総所得のうち、給与所得と事業所得は妻の家庭における協力によって得られた所得であり、夫婦に平分して帰属すべきものとして、右2所得を均分した額に、自己固有の配当所得を加算した金額を総所得額として確定申告した(妻も同じ方法で申告)。

ところが所轄税務署長は、妻の申告分をXの申告分に加算した総額をXの所得金額とする更正処分をした。

XはY(国)に審査請求をしたが、Yが棄却したので、Xは本訴を提起して審査決定の取り消しを求めた。

1・2審は請求棄却した。

<争点>所得税法が前提とする民法762条1項は、婚姻中の夫の所得が夫婦の協力によって得られた夫婦の所得であるという事実を無視するものであり、憲法24条に違反するか。



<判旨>上告棄却

「この規定(民法762条1項)は夫と妻の双方に平等に適用されるものであるばかりでなく、所論のいうように夫婦は一心同体であり一の協力体であって、配偶者の一方の財産取得に対しては他方が常に協力寄与するものであるとしても、民法には、別に財産分与請求権、相続権ないし扶養請求権等の権利が規定されており、右夫婦間相互の協力、寄与に対しては、これらの権利を行使することにより、結局において夫婦間に実質上の不平等が生じないよう立法上の配慮がなされているということができる。

しからば、民法762条1項の規定は、前記のような憲法24条の法意に照らし、憲法の右条項に違反するものということができない」。

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