財産分与と慰藉料の関係




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財産分与と慰藉料の関係

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財産分与と慰藉料の関係

最判昭和46・7・23民集25巻5号805頁

<事実>

Y男は子Aを連れてX女と再婚し、夫婦間に子Bが生まれた。

その後Yが暴力を振るうなどしたため、Xが離婚を請求し、離婚とともに財産分与としてタンスと水屋の分与が認められた。

その後、さらにXは、Yの有責行為により離婚せざるをえなくなったことによる慰藉料の請求を行なった。

<争点>夫の有責行為を理由とする離婚請求と財産分与が認められた妻が、さらに夫の有責行為により離婚せざるをえなくなったことを理由に慰藉料請求をすることは認められるか。



<判旨>上告棄却

「離婚における財産分与の制度は、夫婦が婚姻中に有していた実質上共同の財産を清算分配し、かつ、離婚後における一方当事者の生計の維持を図ることを目的とするものであって、分与を請求するにあたりその相手方たる当事者が離婚につき有責の者であることを必要とはしないから、財産分与の請求は、相手の有責な行為によって離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことに対する慰藉料の請求とは、その性質を必ずしも同じくするものではない」。

もっとも、裁判所が財産分与について判断する際には、当事者双方におけるいっさいの事情を考慮すべきものであるから、相手方の有責性を考慮して損害賠償のための給付を含めて財産分与の額および方法を定めることもできる。

そこで、すでに財産分与が為された場合には、それが損害賠償を含めた趣旨とは解されないか、または、精神的苦痛を慰藉するに足りないと認められるときは、別個に離婚による慰藉料を請求することができる。

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