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譲渡担保の不動産を弁済期に売却
山田さんは、所有の不動産を担保にして、事業資金500万円を、田中さんから借りました。
山田さんと田中さんの契約では、その不動産の所有名義を田中さんに移転しておき、500万円の弁済期である1年後に、山田さんが借入金を返済したときは所有名義を山田さんに移すという譲渡担保又は売渡担保方式の担保方法をとりました。
この不動産の時価は2000万円でしたが、1年後の弁済期に山田さんは金策がつかず、1週間ほど遅れて、500万円に利息をつけて田中さんに届けたのですが、田中さんは受け取りを拒否して、第三者に売ってしまったと言いました。
本件に類似の判例では、清算未了の仮登記担保不動産を換価処分として第三者が所有権を譲り受け、本登記を経由したときは、その完全な所有権を取得し、債務者がこれを否定することはできない。
清算が未了である場合には、債権者から第三者対し換価処分としての登記が行なわれるまでは、債務者は債権者に対して債務を弁済して仮登記担保関係を消滅させ目的不動産の完全な所有権を回復することができるのであって、なお目的不動産の所有権は債務者にあると解するのが相当である。
そうすると、第三者が右登記を債務者の意思に基づかない等違法な手続きによって経由した場合には、債務者は、目的不動産を所有しているわけだから、右登記の抹消を求める利益を有するとしています。
この判例は、仮登記担保による場合ですが、譲渡担保方式でも清算をすべきと解され、田中さんが評価清算して山田さんに精算金を支払うまでは、債務全額を弁済して所有権を回復できると解されます。
ただし、既に第三者に所有権を移転し、登記をしてしまっては、実際はこれを回復することは困難で、山田さんは精算金債権を有するに過ぎなくなってしまいます。
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