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無認可保育者で幼児の死亡事故
山田さんは1歳の息子を無認可保育所に預け、担当者は、保母資格のある女性と無資格の女性でした。
ある晩、息子は睡眠中食べたものを吐いて、それをのどにつまらせ、窒息して死亡してしまいました。
山田さんは、無認可保育所の経営者を相手に1000万円の損害賠償請求の訴えをしました。
訴えの理由としては、「微熱があるから注意して」といって預けたのに、消化のよくないコンニャクを食べさせたり、乳幼児は風邪のときは、食べたものを吐く恐れがあるのに、2時間以上も寝かせたまま放置していたことに過失があると主張しました。
これに対して、無認可保育所は、預かったときも「熱はない」といっており、子供も異常は認められず、食事も残さず、元気に遊んでいたのであるから、食べた物を吐くような事態は予測不可能であったと主張しました。
裁判所は、山田さんが熱があるから注意してといった事実は認めず、特に注意を要する状態で預かったものであるし、夜間は担当者1人で8人にも及ぶ乳幼児を見ていたのであるから、異常に気づかなかった点に過失はないとしました。
しかし、8人の乳幼児を1人の者が十分注意して保育するのはほとんど不可能で、もう1人、保母の心得のある者が保育に当たっていたら、息子の窒息死を防止できたという蓋然性は高いとし、不法行為責任は否定されても、乳幼児を預かった保育所として、息子の窒息死については、保育委託契約上の債務不履行責任があるとし、173万円の損害賠償を命じました。
本件では、過失相殺を85%とした点で、山田さんと内縁の夫は、経済的に2人で働きに出る緊要性もないのに保育所に預けっぱなしで働きに出ていた点、無認可で人的にも十分でないことを知りつつ預けていたこと、息子の健康チェックがいい加減だったことを指摘し、育児態度があまりに安易であった点に過失があるとしました。
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