中国のA会社及びB会社は、平成7年1月頃、日本のC株式会社に対し、冷凍鶏肉を売り渡し、その引渡しのために、海上運送業者であるY株式会社との間で、陸揚港を日本の東京港等として、各冷凍鶏肉についての船舶による各物品運送契約を締結した。
Yは、昭和7年1月下旬に、中国の港において各運送品をそれぞれ船積し、運送人として、荷送人であるA及びBに対し、各運送品の船積船荷証券を交付した。
A及びBは、荷為替手形をD銀行で買取ってもらい、その後日本のX銀行は、Cのために発行していた信用状に基づき、Dに対しに為替手形の支払を行い、荷為替手形の付属書類である本件運送契約にかかる各船荷証券及び商業送り状を所持するに至った。
書く運送品は平成7年2月前後に東京港等に到着し、各運送品はいずれもそれぞれの到着日に荷揚げされた。
Yの代理店であるE株式会社は、Cまたはその代理店F会社に対し、各運送品について各到着日等にこれらを引き渡したが、これらの引渡しは、いずれも船荷証券と引替えにされたのではなく、後日船荷証券を入手次第これを運送人に引き渡す旨を約した保証状を差し入れさせて船荷証券なしに運送品を引き渡す、いわゆる保証渡しの方法で行なわれた。
Cは、平成7年3月29日破産宣告を受け(破産申立の日は同月16日)、Xに対して荷為替手形の手形金相当額等の費用償還債務を履行することができず、本件各船荷証券を入手できなかった。
Xは、本訴において、Yが買主に対しその破産前にいわゆる保証渡しの方法により船荷証券と引き換えることなく運送品を引き渡したことによって運送品の引渡し債務が履行不能となり、これによって損害を被ったとして、その賠償を請求した。 |