XはA株式会社の株主であり、A社の代表取締役であるY1らの責任を追及する本件株主代表訴訟を提起した。
なお、Xは、本件訴えの日の6ヶ月前から継続してA社の株式を保有している。
Y1はA社の代表取締役であり、Y2・Y3は同社の監査役である。
A社は、平成10年8月28日、B社との間で、@A社を存続会社、B社を解散会社とする吸収合併を行い、AA社は、合併に際し、合併期日前日最終のB社の株主名簿に記載された株主が所有する株式数に0、2を乗じた数の合計に相当する数(ただし、1株未満の端数は切り捨てる)の額面普通株式(1株の額面金額50円)を発行し、各株主に対し、その所有するB社の株式1株につき、A社の株式0、2株を割り当てるなどの約定を含む合併契約を締結した。
Xは、A社がB社を不公平な合併比率により吸収合併したため、B社の株主には時価総額119億5400万円のA社の株式が割当発行され、他方B社から引き継いだ正味財産は26億600万であるから、A社に少なくとも93億円の損害が発生しており、これはA社の取締役及び監査役であるYらがA社に対する忠実義務及び善管注意義務に違反したため生じた損害である、と主張した。 |