Y社は、一般貨物自動車運送事業、貨物自動車運送取扱事業等を目的とする株式会社であるが、かねてA株式会社との間で、A社の集配センターと各営業所間で貨物を配送する業務(以下、「本件業務」)を請け負う旨の契約を締結していた。
Bは、平成7年9月1日、Y社との間で、Y社がA社から請け負っていた本件業務を下請する旨の契約を締結していた。
また、Bの商号では仕事を取りにくいことから、Bは、Y社から、BがY社の専務取締役であることを示す名刺(以下、「本件名刺」)を使用することを許諾していた。
Xは、同年10月頃、Bとの間で、本件業務に運転手として従事する旨の雇用契約の合意をした。
Xは、同年10月1日から平成8年7月4日までの間、運転手として本件業務に従事したが、同年6月1日以降の賃金についてBから支払がなかった。
そこでXは、Y社の専務取締役と称していたBとの間で本件請負契約の合意をし、Y社からアルバイト運転手として雇用されたと信じて本件業務に従事していたのであるから、Y社はXに対し本件賃金を支払う義務があると主張して、Y社にその支払を求めた。
第1審判決は、Xの請求を認容。
Y社は控訴した。 |