A組合は定置漁業の経営を目的とし、組合代表者その他の役員及び総会を置き、基本財産を有し、組合業務は役員によって執行され、対外的取引は組合名をもってなされてきた。
XlはAの製縄代金支払のために同組合長理事Yの名義をもって振出された約束手形を受取り、満期に支払呈示をなしたところ不渡となったために、組合員Yらに対して手形金の支払を求めて訴えを提起した。
XはAは民法上の組合であって、組合の債務について全組合員が各自連帯して責任を負うべきであると主張するが、YらはAはいわゆる権利能力なき社団であるから組合員はAの債務に関して責任を負わないと争った。
第1審はXの主張を認め、Yらに連帯債務として本件手形金支払義務を認めたが、原審はAが民法上の組合であるが故、Aは行為能力を有しないのであるから、組合として手形を振出すこともできず、組合長が第三者と取引した場合には、当該取引の主体は組合ではなく組合長個人であるとして、Y個人の手形金支払義務のみを認めた。
Xは上告した。 |