Y1は、昭和41年9月20日ころ宅地建物取引業者であるXに対し、Y2が所有する(1)〜(4)の土地の所有権の譲受、(3)の土地の賃借人Aとの建物明渡等につき仲介を依頼し、契約が成立した場合の報酬の支払を約定した。
Xは、直ちに上記各土地の所有者、賃借権者その他の権利関係を調査し、昭和41年11月22日Y1からあらかじめ本件(1)〜(4)の土地を実測面積による価額で買い受ける旨の承諾を取った上、同年12月31日Y1の指示に基づき銀行員に手付金となるべき金400万円の銀行小切手を持参させ、土地所有者と売買価額の最終的な調整に入り、同人が提示した金1550万円の価額を今少し低減するよう求めたが、同人の承諾するところとならず、最終的な契約締結の交渉は右(1)〜(4)の土地面積の実測後改めて価額を協定して行なうこととした。
Xは、昭和42年1月末ころ実測図面に基づきY1と買受価額について下相談し、本件(1)〜(3)の土地については買受価額をおよそ金1400万円とすることとした。
ところが、Y1は、そのころすでにXに本件(1)〜(4)と土地取得の仲介を依頼してあるにもかかわらず、Y2と右土地取得の折衝をし、その結果昭和42年2月24日Y2との間で本件(1)〜(3)の土地を代金1421万9000円で買い受ける旨の契約を結び、Xに対して、(1)〜(3)の土地の売買契約等の成立に対する報酬の支払を請求した。
原審判決は、Y1及びY2に対して、約定の基準による報酬の支払を命じた。
Y1は上告した。 |