AはY1運転の自動車に同乗中、Y2運転の自動車との衝突事故により傷害を受け死亡した。
Aの相続人であるXは、Y1がB保険会社と締結した自家用自動車保険契約に適用される保険約款中の搭乗者傷害条項に基づき、Bから死亡保険金1000万円を受領した。
その上でXは、Y1Y2に対して、自動車損害賠償法3条に基づきAの死亡により被った損害の賠償を求めて訴えを提起した。
原審は、Xの損害を約5000万円とした上で、Bにより支払われた保険金はY1Y2がXに対して支払うべき損害を填補するものであることを理由に、これを控除してXらに対して支払うべき損害を填補するものであることを理由に、これを控除してXらによるY1Y2への請求を一部認容した。
これに対しXは、搭乗者傷害保険は定額の保険金を支払うものであり、しかも約款上、保険代位が排除されていることを理由に、搭乗者傷害保険金には損害填補の性質がなく、損益相殺をすべきではないとして上告した。 |