Yは、同人を代表取締役とするAが手形取引停止処分を受けたので、おそくとも昭和41年3月からC銀行D支店に実兄B名義の当座取引口座を設け、同年9月死亡するまで多数回にわたりB名義で手形を振り出し、本件約束手形はその1通であり、一方、右Bはいわゆる失対人夫で経済的な信用や実績のある者ではない・・・。
このような事実関係のもとにおいては、Yは、自己を表示する名称としてB名義を使用したものと認めることができるから、その名義を用いた手形署名はY自身の署名とみるべきであり、したがって、Yは、本件約束手形の振出人として、その手形金支払の義務を負うものといわなければならない。」 |