XはY証券株式会社と昭和62年より証券売買取引を行っていたところ、株式の取引により損失を被ったことから、平成2年5月以降、Xに対し、株式取引の再開を勧め、Xは同月30日及び同年9月6日、B株については仕手筋からの確実な情報があり8000円まで上がる旨、またC株についても2000円くらいまでは上がる旨の断定的判断を提供した。
しかし、Xは、それまでにAから勧められた株式を買って損失を被っており、Aの提供した断定的判断を必ずしも信用することができなかったため、「蹴り込んだら穴埋めをしてくれ」と損失補償を要求し、Aは、本件買付に際し、Xとの間で、株式取引により損失が生じた場合にはこれを補填する旨の損失保証の合意をした。
そこでXは、主位的請求として、株価下落等により生じた損失について、Y社に上記損失保証契約の履行を求め、予備的請求として、Aの断定的判断の提供による勧誘によって損失を被ったとして、Y社に対し使用者責任に基づく損害賠償を求めた。
原審は主位的請求・予備的請求ともに棄却したため、Xが上告した。 |