Y株式会社は、Aとその夫Bが営んでいた電気製品の小売販売業を、Bが代表取締役となって法人成りさせたものである。
XはY社設立時点でB個人に対する売掛代金債権265万円余りを有していたが、Y社は、設立の際にA・B他2名であり、設立以来取締役会が招集されたことはないが、設立後の第1期決算報告において本件債務を会社債務の一部として計上していた。
Y社が売掛代金債権を支払わないため、Xがその支払を求めて提訴した。
原審判決は、Y社がその代表取締役Bの債務を引き受けることは、両者の利害が対立しYに損害を与える恐れある取引だから取締役会の承認を要するところそれがなされていないから、本件債務引受は無効であるとして、Y社設立後に新たに負担した買掛代金債務55万円余りについてのみ請求を認容した。
Xは上告した。 |