「合資会社の社員の金銭出資義務は、定款又は総社員の同意によりその履行期が定められていないときは、会社の請求によりはじめてその履行期が到来し、特定額の給付を目的とする金銭債務として具現化されるものというべきであり、かかる金銭債務となる前の出資義務は社員たる地位と終始すべきものであって、社員が退社して社員たる地位を喪失するときは、出資義務も消滅するに至るというべきであるから、右退社員の合資会社に対する持分払戻請求権は成立しないと解すべきである(大審院昭和・・・16年5月21日判決・民集20巻12号693頁参照)。
本件についてこれをみるに、原審の確定した事実・・・のもとにおいては、XらはYらに対し退社による持分払戻請求権を取得し得ないというべきであるから、これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。」 |