Xは、自己所有地上に建物を所有し、本件建物において、長男及び長女と共に居住し、本件建物を店舗、倉庫等として使用していた。
Xは、平成11年12月2日、Y保険会社との間で、保険の目的を本件建物、家財一式及び商品・製品等一式、保険金額を建物2億円、家財一式7000万円、商品・製品等一式2億円、保険料を48万6300円とする店舗総合保険契約を締結し、保険料を支払った。
本件保険契約に適用される保険約款(以下「本件約款」という)1条1項には、保険金を支払う場合として、火災によって保険の目的について生じた損害に対して損害保険金を支払う旨が規定され、また、同2条1項(1)には、保険金を支払わない場合として、保険契約者、被保険者又はこれらの者の法定代理人の故意もしくは重大な過失又は法令違反によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨が規定されている。
平成11年12月7日午前11時頃、本件建物内で火災が発生し、本件建物4階の居室20平方メートルを焼損し、他の階の各室にも消化活動による水損等の被害が生じたほか、本件建物内に保管されていたX及びその家族の所有する家財、Xの経営する店舗の商品等についても、一部に焼損又は水損等の被害が発生した。
本件は、XがYに対し、本件火災により損害を被ったと主張して、本件保険契約に基づき、火災保険金及びその遅延損害金の支払を求めるものである。
原審は、放火であることの立証責任はYにあるとしたうえで、出火原因を不明として請求認容。
Yは上告した。 |