Y株式会社は、定時総会において、辞任常任監査役Aに対する慰労金贈呈につき、その金額・時期・方法等を取締役会に一任する旨の決議をなした。
これに対し、Y社の株主Xが、退職慰労金は報酬にあたり限度額の制限をせずに取締役会決議に一任することは監査役の報酬につき前商法269条を準用していた昭和56年改正前商法280条に違反すると主張し、本件決議の無効確認を求めて提訴した。
第1審判決・原審判決は、本件退職慰労金が報酬に該当するとして上で、取締役がY社の業績・退職役員の勤続年数・担当業務・功績の軽重等から割り出した一定基準に従って慰労金を決定することが慣例になっていたところ、本件決議はこの慣例によって慰労金を定むべきことを黙示してなされたものだから有効であるとし、請求を棄却した。
Xは上告した。 |