割賦購入あっせんを業とするX株式会社は、昭和60年5月19日、Yが下着等の販売業者でXの加盟店であるA株式会社から下着一式を金13万円購入するにあたり、Yとの間で、XはYに代わり金13万円をAに立替払し、YはXに対し、立替金及び手数料の合計金15万280円を分割して支払うこととする立替払契約(個品割賦購入あっせんに当る)を締結した。
この立替払契約は、未成年者であるYの職場の先輩であるBが信用調査の結果自分の購入した下着について立替払が拒絶されるので、Yに対して名義を貸すように依頼し、Yがこれを承諾したことにより成立したものであった。
同年6月分から10月分までの5回については、BがYに支払金額分の金員をもってきたので、YにおいてY名義で郵便振込により支払っていたが、同年11月分の支払からは、Bが同年10月末に勤務先の医院を退職したことから支払が滞った。
Xは本訴において、立替払契約に基づく残金の支払を請求した(なお、立替払契約の成立の事情については、下記の判決理由も参照)。
Yは、Aに対して、上記売買契約の通謀虚偽表示による無効を主張しうるから、割賦販売法30条の4に基づいて、その無効事由をもってXに対抗すると主張したのに対し、Xは、購入者が作出した一方的事由に基づく購入者と販売業者間の通謀虚偽表示は、抗弁事由に該当しないなどと反論した。
原審判決はXの請求を認容した。 |